外部設計とは?

外部設計を行うことで、要件定義により決まったシステム仕様をより具体的な仕様に落としていくことになります。外部システムとの仕様調整が重要です。

外部設計(基本設計)

外部設計は、顧客や外部システム担当者と調整しながら、仕様を決めていくフェーズです。開発するシステムとは別に、外部システムと連携する部分の仕様を設計し、内部設計を行うための土台を作ることが目的です。外部設計を基本設計と呼ぶ場合もあります。

インプット アウトプット
  • 要件定義書
  • ネットワーク定義書
  •  外部設計書
  • 画面仕様書
  • 帳票仕様書
  • インタフェース仕様書
  • コード設計書

画面設計書(画面仕様書、画面定義書)

パソコンなど、ある端末装置からの入力を必要とするシステムでは、画面構成を設計します。どのような情報を画面に入力し、システムに受け渡すのかを明確にするため、プロトタイプを作成する場合もあります(プロトタイプ開発)。画面イメージを作りながら設計を進めていくことは、ユーザとの合意を行うことを目的としています。ユーザ側と開発側とのギャップをできるだけ少なくし、よりユーザの希望にあわせた開発を行うことが求められます。

画面構成は、システムを実際に使用するユーザの使い勝手が大変重要です。顧客企業がシステムを導入し浸透させるためには、ユーザインタフェースの向上が必須です。システムの使い方をユーザに教育することもまた重要ですが、ユーザが考慮しなければならない操作上の制約が多いほど、システムを浸透させることが難しくなります。ユーザインタフェースの向上は、顧客ビジネスへ直結するのです。

この画面イメージのようなデザインが適切かどうかは、十分に議論されるべきです。見た目がきれいであることや、機能が豊富であることと、ユーザにとっての使いやすさは、別の次元で議論すべき要素なのである。

帳票設計書(帳票仕様書、帳票定義書)

システムの業務処理結果など、ユーザに見せたいデータイメージのことを、帳票と呼びます。例えば、請求書、給料明細、銀行預金残高明細などの出力イメージが決まっている定型の帳票や、売上高棒グラフ、アンケート結果円グラフなどの出力イメージが変動する非定型の帳票などがあります。画面に表示させるだけの帳票であったり、PDFやExcelなどの形式でファイル出力する帳票、最終的に紙媒体として印刷する帳票など、様々な要件や用途を考慮して設計を進めます。これら帳票も、画面仕様と同じように顧客との調整を行いながら設計していく必要があります。

インタフェース設計書

インタフェース(interface)とは、複数の物事の存在の中で、お互いの情報をやり取りするための仲介を行う媒体の概念です。普段の生活をしている方にとっては、馴染みのない言葉かもしれません。インタフェースには、大きく分けると次の3つの種類があります。

ハードウェア・インタフェース ハードウェアの規約や、電気的な手続きの形式
ソフトウェア・インタフェース プログラム同士、機能同士がやり取りするデータ形式。またはデータのやり取りそのもの。
ユーザ・インタフェース 画面など、システムを利用する上での操作性。

インタフェースという言葉は上記のように、抽象度の高い3つの意味を持っています。コミュニケーション上で使うのであれば、少なくとも「○○インタフェース」という表現にするべきでしょう。ただし、例えば画面設計について議論している場面で「インタフェース」という言葉が出てきた場合、それが「ユーザインタフェース」を指していることは暗黙の了解であり、聞き手側が読み替えるべきでしょう。また、インタフェース仕様書とは、ソフトウェアインタフェース仕様書を指します。

外部設計ではシステム同士のデータ形式を設計します。例えば、ファイルレイアウトや電文レイアウトをお互いのシステム間で合意し、それに基づいて開発を進めていきます。機能同士のインタフェースは内部設計フェーズで、プログラム同士のインタフェースは詳細設計フェーズで設計します。 また、データをやり取りすることを「インタフェースする」と言う場合もあります。「I/Fする」という表記もあり、インタフェースという言葉の抽象性や曖昧さを複雑化している一因かもしれません。